開発の最初の作業は印刷する帳票の種類の決定です。
一口に帳票と言っても、さまざまなカテゴリが存在します。例えば、請求書・発注書・納品書・見積書・領収書などのいわゆる伝票類、運送送り状や荷札・DMラベルなどの運送郵便関連、勘定元帳や補助簿のような帳簿類、給与明細や源泉徴収票のような給与人事関連、法定申請書・申告書や保険関連の設計書などの複雑な帳票、工程管理表・進捗管理表・在庫表に代表される管理帳票、そしてグラフィカルなプレゼン資料など多種多様な種類が存在します。
「LinkPrint」では、帳票の種類を決定し、その種類に応じた帳票カテゴリファイルを用意します。
帳票カテゴリファイルを用意することによって、同一種類の帳票を複数種類印刷する場合のデータ処理部分の記述を一元管理・重複作成の手間を省きます。
帳票カテゴリファイルは、帳票に記載される項目の属性「項目名」「データ種別」「長さ」を記述します。項目は3種類のレコード(ヘッダー・ボディ・フッタ)に分類して記述します。また、四則演算式・合計式・論理式を組み合わせた代入式を設定して、動的に項目の値を設定できます。さらに、多くの帳票で固定的に利用される自社情報の設定もできます。
帳票カテゴリファイルは項目を3種類の集まりに分けて構成します。ヘッダレコード/ボディレコード、フッタレコードの3種類です。帳票の種類によって、構成するレコードは変わります。例えば、送り状や貼り荷札などはヘッダレコードだけで構成されますし、納品書などはヘッダレコード・ボディレコード・フッタレコードの3つで構成されます。
■売上伝票カテゴリのヘッダレコードの項目例:
■売上伝票カテゴリのボディレコードの項目例:
■売上伝票カテゴリのフッタレコードの項目例:
印刷時に動的に帳票内容が変わる場合のために、項目に値の代入式が設定できます。代入式では、他の項目を計算要素とした四則演算式や合計式、また複雑な条件分岐を記述するためのIF文や論理式・値比較式などの計算式を組み合わせて設定することができます。これによって、帳票特有の計算(お客様のビジネスルール)をプログラミングなしで実現できます。他にも、印刷実行時に書式制御を変更することも可能です。逆に伝票発行元情報のように固定的な項目の値を定義しておくこともできます。
四則演算 | 加算 ”+” 減算 ”-” 乗算 ”*” 除算 ”/” 剰余算 ”%” |
---|---|
比較演算 | 等しい ”==” 等しくない ”!=” より大きい ”>” より小さい ”<” 以上 ”>=” 以下 ”<=” |
論理演算 | かつ ”AND” または ”OR” 排他 ”XOR” 否定 ”!” |
条件分岐 | ”IF(...) THEN(...) ELSE(...)” |
集計 | 全体合計 ”Total” ページ合計 ”SumPage” |
小数点以下3桁までの値の丸め方法指定 | 切捨て ”RoundDown” 切上げ ”RoundUp” 四捨五入 ”Round” |
空データチェック | ”IsNull” |
ページ枚数 | 総ページ枚数 ”TotalPage” 個別ページ番号 ”Page” |
残高更新 | 勘定元帳や在庫入出庫表の残高計算 ”Series” |
値参照 | ”Ref”(他項目値・固定値・NULL値・現在日付・書式制御値) |
■式の例:
「注文金額525円以下の場合、送料420円をいただく」ルールを採用している通信販売業の納品書カテゴリの計算式例です。
多くの帳票で利用可能な自社情報の登録機能があります。自社情報として設定しておけば、すべての帳票カテゴリで同じ内容が設定されます。変更時にはサーバ上の対応ファイルのデータを変更すれば、すべての帳票カテゴリに自動反映されます。
帳票カテゴリファイルを用意するためには帳票カテゴリテンプレートを利用するか、「帳票カテゴリ作成ツール」を使用してオリジナルで作成していただく方法があります。
帳票カテゴリ | 対象帳票 |
---|---|
見積書 | 見積書 |
売上伝票 | 納品書・売上伝票・都度請求書 |
統一伝票 | チェーンストア・百貨店などの統一伝票 |
注文書 | 注文書・注文請書 |
締め請求書 | 月締めなどの請求明細書・合計請求書 |
支払明細書 | 月締めなどの支払明細書 |
領収証 | 領収証 |
宛名 | 送り状・貼り荷札・封書手紙宛名等 |
商品ラベル | 商品ラベル・商品値札等 |
給与明細 | 給与明細・賞与明細等 |
産業廃棄物管理票 | 産業廃棄物管理票(マニフェスト) |
建設系マニフェスト | 産業廃棄物管理票 建設系廃棄物マニフェスト |
これ以外の帳票カテゴリは「帳票カテゴリ作成ツール」を利用してオリジナルで作成できます。